こんにちは。御すぐき処・京都なり田です。
京都なり田をはじめ、京都の漬け物屋では、たくさんのお漬物を販売しています。
「品数豊富なお漬物・佃煮の中からどれを選べばいいかわからない・・・」ということもありますよね。 そんな時に、『京野菜』を使った商品を選んでみるのはどうでしょうか。
『京野菜』って?
『京野菜』とは「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」の二つをいいます。
「京の伝統野菜」の定義
(1)明治以前に導入されたもの
(2)京都府内全域が対象
(3)たけのこを含む
(4)キノコ,シダを除く
(5)栽培または保存されているもの及び絶滅した品種を含む
「ブランド京野菜」の定義
優れた品質が保証され、安心・安全と環境に配慮した生産方法に取り組んでいる京都府内の農林水産物の中で以下を満たすものを認定
(1)イメージが京都らしい
(2)販売拡大を図る必要がある
(3)流通量が十分に確保できる
(4)品質・規格が統一されている
(5)他産地に対する優位性・独自性の要素がある
京都三大漬物なのにあまり知られていない京野菜・「すぐき」
京都三大漬物のすぐき漬の原材料である「すぐき」ですが、もちろん京都の伝統野菜のひとつとして定義されています。
桃山時代の頃、上賀茂神社の社家で栽培が始まったと伝わる由緒ある野菜です。
円錐状の根に青々とした葉っぱを持つかぶの一種です。
かぶです。よく大根と言われますが、かぶの仲間です。
江戸時代になると、周辺の農家でもすぐきの栽培が行われるようになりましたが、明治時代になるまでは、種すら持ち出すことを禁止されていました。
京都の中でも、上賀茂でしか栽培されていなかったすぐき。
そういう歴史から、あまり知られていないというところにつながっているのかもしれませんね。
現在では、一般の農家でも生産されていますが、ほとんどが上賀茂周辺の地域で生産されています。
※写真は過去の収穫写真です。
9月に種をまいたすぐきは、10月後半にもなると、すくすく成長中です。
農作物が順調に育つためには間引きをしなければなりません。すぐきも同様です。
間引いたすぐきは、捨て・・・はしません!!
京都なり田では間引いたすぐきの若菜を浅漬けにした「すぐき菜浅漬」を販売しております。
量産できるものではないので、残念ながら販売は直営店のみ(お電話でのご注文も承ります)。希少な一品をぜひ一度お試しください。
そして成長したすぐきを忘れてはなりません。
2018年に種まきして収穫し漬け込んだすぐき。約1年樽で寝かせた奥深い酸味の『時候慣れすぐき』を2019年秋の食卓にのせてみてはいかがでしょうか。
長い年月、種も製法も門外不出だった「すぐき」。
上層階級への贈答品として珍重されていた「すぐき」は現在では誰でも気軽に手に入るようになりました。
京都なり田では、「すぐき」を使った商品を上記以外にもご用意しております。
「すぐき」が存在したからこそ当店「京都なり田」の今があるのです。
「すぐき」抜きには先にすすめません。
冬の浅漬け代表・千枚漬け
京都の冬のお漬物といえば千枚漬を思い浮かべる方も多いでしょう。
千枚漬は京野菜「聖護院かぶら」が原材料。
白くふくよかな丸みのある根は大きいものになると直径20cm以上、重さは4キロにもなります。
透けるほど薄くスライスした聖護院かぶらを北海道産利尻昆布や調味料に漬け込んだ京都なり田の「千枚漬」。 かぶらのシャキシャキとした歯ざわりとまろやかな甘さがお楽しみいただけます。
千枚漬と一緒に「きょう菜」を添えるのがおすすめ。
雪原のような色の千枚漬にきょう菜の鮮やかな緑が映えます。
また、まろやかな千枚漬にきょう菜のほのかな苦みが絶妙なバランスです。
茄子の女王・賀茂なす
濃い紫色のまんまるな姿形がかわいい賀茂なす。
肉質は固く甘みのあるのが特徴で代表的な食べ方は田楽や煮物。
漬物にしても抜群の存在感です。
京都なり田では胡瓜と一緒に特製のからし床で熟成させた「からし漬け」を販売しております。
賀茂茄子の食感が十分に感じられる満足感のある一品。
からしの鼻に抜けるツーンとした辛さの中に、ほのかな甘みも感じられます。
副菜としてはもちろん、酒の肴にもピッタリ。病みつきになります。
京都なり田では「賀茂なす」を使った漬物・佃煮をいくつかご用意しています。
ぜひオンラインショップや店頭でチェックしてみてください。
よもやま話
京都の三大祭りの1つである時代まつり。
毎年10月22日に開催されるこのお祭りは、京都に都が移されて1100年となったことを記念し、明治28年に始まったものです。
※令和元年の今年は即位礼正殿の儀の為、10月26日に変更し、行われました。
何故10月22日かというと、桓武天皇が長岡京から平安京へ都を移した日にあたるそう。
このため同日は「京都の誕生日」とも言われています。
時代まつりでは、明治維新から平安時代までを遡っていく豪華絢爛な行列。
使用される衣装、祭具、調度品の数々は綿密な時代考証を重ね京の伝統の技がこめられています。
「京の伝統野菜」も明治以前から存在していたお野菜。
時代まつりの行列を見ながら食の歴史に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。